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心疾患について 心疾患について

狭心症・心筋梗塞のおはなし



狭心症は治せる病気です。仮に、症状が残っていても、適切な治療を受けることで、ほとんどの人は通常の人と同じような日常生活を送ることができます。しかし、放置しておくと、死亡率が高い心筋梗塞に進む可能性があることと、QOL(生活の質)が低下してしまいます。最近、日本人の食生活が欧米化していますので、今後ますます狭心症や心筋梗塞が増加しつづけると考えられます。
そこで、健康的生活を営むためにも、心臓病に対する認識をもち、病気を正しく理解して、対処することが重要になります。

心臓病の死亡率は減少しています

動脈硬化による狭心症や心筋梗塞は増加しているにもかかわらず、主要死因別にみた日本人の死亡率(人口10万対)は、平成3年には減少に転じ、平成7年には死亡順位が2位から3位となりました。(図1)理由としては、後述する心臓カテーテル検査、カテーテル治療、クスリの進歩が挙げられます。心臓病は心臓専門医による適切な治療を受ければ、心臓病は良くなる可能性がとても高い病気です。

主要死亡因別に見た死亡率


心臓は体内に栄養を送る不眠不休のポンプ

心臓は筋肉の固まり

心臓は、心筋と呼ばれる筋肉のかたまりでできています。この心筋のかたまりが収縮・拡張を繰り返すことによって、体のすみずみまで血液を送っています。この血液を送っているポンプは、私たちが寝ているときも休むことなく一生懸命働いています。(図2)心臓の働き

この24時間不眠不休の働き者に、酸素や栄養を供給している血管を冠動脈といいます。冠動脈は、たった3本しかありません。この3本が心臓を取り囲んでいます。(図3)冠動脈

この冠動脈に故障が起きることを「虚血性疾患」といいます。冠動脈に動脈硬化が起こり、血管内腔が狭くなったり、閉塞したりするため、恐ろしい狭心症になったり心筋梗塞になったりします。(図4)動脈硬化


心臓の働き 冠動脈 動脈硬化



働き盛りを襲う心臓病

狭心症・心筋梗塞
狭心症や心筋梗塞の重大な原因として、動脈硬化が挙げられます。前述しましたように、心筋を養う血管に動脈硬化が発生すると血管内腔は動脈硬化のため狭くなり、流れる血液の量は少なくなり、狭心症や心筋梗塞になりやすくなります。
 激しい運動により心臓の働きが高まったとき、動脈硬化のため充分な血液量(酸素)が供給されないと心筋は酸素不足となり、胸痛が起こります。これを労作性狭心症といいます。また冠動脈の動脈硬化が壊れたりすると、内腔が血栓(血液のかたまり)で閉塞され、この血管から栄養を受けている心筋は栄養がこないため、壊死(細胞が死んでしまう)を起こします。これを心筋梗塞といいます。

心筋梗塞の場合、心筋が壊死に陥っているため胸痛も激烈で、その持続時間も長いのが普通です。ときには急死するケースもあります。この狭心症や心筋梗塞は働き盛りの50才代から急速に増加します。
狭心症・心筋梗塞の図



狭心症・心筋梗塞の予防

残念ながら、どんな人も年をとること(加齢)により血管に動脈硬化が起きます。しかし、各人で考え方が違うように動脈硬化の程度は人により異なります。これは動脈硬化を起こさせる危険因子の有無に個人差があるためです。ここでは努力で取り除ける危険因子を紹介します。
 3大危険因子としては、1. 高脂血症(血中のコレステロールが高値である)2. 高血圧 3. 喫煙(1日20本以上は特に危険です)が挙げられます。更に危険因子として、生活習慣病(かつては成人病と呼ばれていた)として注目されている糖尿病そして高尿酸血症(痛風)、肥満、ストレスなどが挙げられます。(図6)とくにタバコについては、1日20本吸う人が狭心症や心筋梗塞になる危険性は、吸わない人の2倍、40本では10倍になるといわれています。このような危険因子をチェックし、コントロールすることが最も大事な予防となります。
 心臓病は気がつくのが早ければ早いほど、治療法も選択でき、治癒も可能となる病気ですので、健診などを利用して、自分の体を見直してください。

心臓病7つのリスク


狭心症と心筋梗塞の治療


狭心症の治療には、大きく分けて内科的治療と外科的治療があります。内科的治療には、クスリを用いる方法とカテーテルによる治療があります。前述したように、最近死亡率が劇的に下がった主な理由はカテーテル治療の進歩です。

 
カテーテル検査室 カテーテル治療は、先ほど述べた動脈硬化によって狭くなった血管を風船で拡大する方法です。心血管造影室(カテーテル検査室)で行われます。(図7)
まず、狭くなった血管に径1mm以下のガイドワイヤーを通し、このワイヤーを通してレントゲンをみながら、3mm前後の風船を送り込み、その風船を膨らませることにより動脈硬化を壊して血管を拡大します。(図8)

この方法は、急性心筋梗塞にも用いることができます。閉塞した血管に同じようにワイヤーを通し、風船を送りこ込み、その風船を膨らませることにより閉塞は解除され血流が再開されます。その結果心筋の壊死部は縮小され、重大な合併症である心破裂、ショック、心不全が予防されます。従って急性心筋梗塞は、できるだけ早くこのような治療ができる設備の整った病院に搬送されることが、救命の第一歩になります。更に、最近は風船治療後再び血管が狭くなったり、閉塞したりすることを防ぐステントという金属が開発され普及しています。(図9)
ステント

図10 この方法はトンネルの杭打ち込みと同じで落盤を防ぐものです。風船にステントという金属を巻きつけ、狭くなった部位で風船を膨らまし、金属を残すことにより、再度、血管が塞がってくることを予防します。(図10)これらの方法により、多くの命が救われています。

狭心症や心筋梗塞の治療は、着実に進歩をとげています。しかし、最新の治療に頼ることなく、日頃から心臓病にならないように、危険因子を上手にコントロールすることが最も大切です。それと同時に、胸部不快、胸痛、動悸、息切れ、呼吸困難、むくみ、めまいなどの症状があった場合には、すみやかに心臓専門医に診察してもらい、心筋梗塞にならないよう指導してもらってください。

ガイドワイヤー



※当院では2001年12月に心臓手術も行える手術室を3室と、心臓カテーテル検査室などを含めた増築棟が完成しました。これにより心臓、大血管の手術、急性心筋梗塞などの治療が可能となりました。そして、麻酔科、心臓血管外科の優秀な医療スタッフを増員し、24時間、緊急手術可能な体制が整いました。


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